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僧侶出張サービス「智運庵」代表の松木運悦さん。ノートパソコンを持ち歩き、予約管理をしている=2024年11月30日午後6時24分、東京都港区南青山2丁目、小川聡仁撮影
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 僧侶が法事や葬儀に全国どこでも駆けつける「出張サービス」を、僧侶自らが各地で立ち上げている。多死社会を見据え、企業が次々に参入する僧侶派遣サービスへの危機感や、広がる寺離れが背景にあるという。

 「全国対応のお坊さん」とウェブサイトで掲げる僧侶出張サービス「智運庵」。代表の松木運悦さん(39)が昨年4月、福島県の寺で副住職をしながら個人事業主として始めた。

 サイトには「一日葬 5万円~」など、お布施の金額が「目安」として並ぶ。依頼は毎月数件あり、東北から九州まで車で向かう。菩提(ぼだい)寺を持たない人が利用でき、寺とのつながりが薄い都市部を中心に利用者は増えつつあるという。

 きっかけは2000年代半ばから増えてきた、企業による「僧侶派遣サービス」への違和感だった。コールセンターで依頼を受け、登録した僧侶を希望の日時・場所に派遣する仕組みだ。

「しわ寄せは依頼主に」、派遣されて抱いた懸念

 従来は、墓を持つ「菩提寺」…

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